あそびとくらす

遊びと暮らす 遊人クラス 日常の中にちょっとした遊び&スパイスを。日常の中からちょっとした学びを。

タガメが永眠しました。

「パパ、タガメの餌(金魚)買ってきて。」

 

息子が発熱してから数日、

餌をあげることができておらず

タガメの元気がないらしかった。

現在、我が家で飼っている最後のタガメだ。

私は、息子からもらったであろうウイルスからの発熱にうめきながら

息子のパパへのお願いを聞いていた。

その日は餌が買えなかったらしく、翌日買って帰るねと電話があった。

翌日の朝

「たがちゃんが死んでるぅ〜〜〜。うお〜〜ん。」

息子の泣き声に目が覚めた。

 

見ると、水槽の中に浮かんでいるように浸かっているタガメが1匹。

死んでいた……。

最近は、オオクワガタやギラファの幼虫に関心がいって

タガメのことは忘れているのかと思っていたけれど

知らない間に毎日朝起きたら見ていたんだな、と知った。

「だから餌買ってって言ったのに。

お腹が減って死んだのかもしれない。餌あったら生きてたかもしれないのに!

パパのせいだ、パパのせいだ〜〜!」

 

パパもたまったものじゃない。

じゃあ、お前がちゃんと世話していたら良かったろう。

と、その場にいたら言ったかもしれない。

が、運よく?その場にいたのは

私と息子と、そして死んだ2代目タガちゃんだった。

 

2019年 タガメを初ゲット

一体どこにいるんだ?!タガメちゃん!? 愛しのタガメが繋いだ父子の絆・・・ - あそびとくらす

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我が家に春がやってきた! 自宅冬眠していたタガメが目覚めたよ。 - あそびとくらす

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2020年にはタガちゃんが産卵して

タガメの成長記録 孵化~ただいま4齢幼虫 - あそびとくらす

その後タガメ日記の更新をしていなかったけれど

羽化した成虫が1匹いたのだ。

彼は残念ながら冬を越せなかったけど…。

その後、2021年5月最初のタガちゃんが亡くなって

それはもう、家族中が悲しみに暮れたのだっった。

(だって初めてのペット)

私は、もうやっぱり飼うのをやめよう、

観察十分にできたのだから、

他の子たちも自然界に返してあげようという気持ちが一段と強くなったが

息子たちは、もっと増やしてみたい気持ちに囚われたようだった。

2021年 山口からペアをいただいてきて

みんなを冬眠させて、目が覚めて…

大事に育てていたのだけれど…… 。

今年の春に一度後尾をしたものの

タイミングが悪かったのか産卵が少なかったり

お父さんが途中で世話をやめてしまったりして

人工孵化で1匹  齢幼虫まで大きくなったものの

今年は成虫まで1匹も羽化していなかったのだ。

さらに、もう一度後尾をさせようとして仕切りを外していたら

息子はそろそろ部屋を別にした方がいいと言ったのに

パパは、もう少し様子を見ようと同じ部屋にしていた翌日

オスがメスに食われてしまっていたのだ。

その時の荒れ具合(泣)もすごかった。

ごめん、気が付かなかったと謝るパパと泣きじゃくる息子と

しょうがなかった…という私。

その後、メスも度重なる出産が響いたのか死んでしまい

最後のオスが1匹残っていたのだ。

今年も冬眠するから、その前に餌をあげなきゃと言っていた矢先のことだった。

 

解熱したとはいえ、体調の悪い息子と

発熱している私

ボ〜ッとしながら

しょうがない、寿命だったのかもしれないよと言いながら

「悲しいね、悲しんだね」とトントンしながら話を聞いた。

残念ながら、初代タガちゃんの時ほど私も世話をしておらず

さほど、思い入れがない。

息子が悲しむ気持ちはわかるが、一緒に泣くほどではなかった。

ただ、泣いている息子をトントンし続けた。

夕方、「そうだ、パパにもう餌はいらないと電話する」

と電話をかけた息子は、もう泣いたりせずに

タガメ死んでたの、だからもう金魚はいらない。」

と、淡々と事実を報告していた。

(もう金魚は買った後だったけれど。)

電話を切った後に、

なんだか余計寂しそうに見えた。

もしかしたら、パパなら悲しみを分かち合えると思っていたのだろうか。

パパも泣くと思っていたのに、それほどではなさそうでがっかりしたように見えた。

「パパも悲しいと思うよ。でも大人だから」

そう声をかけると、またすすっていた。

 

あれだけ、リビングを占領していた虫かごや水槽。

邪魔だと思い、

少しでいいからまとめて置いたり数を減らしてほしい。

と伝えていたのに

空の水槽を見ると、なんだか寂しい。

餌として買われてきた金魚が、悠々と水槽を泳いでいる。

 

「春には子どもが増えるかもしれんね。餌になるかもね」

と呟くと

「一回飼うと、餌にはできん。」

と息子。

確かに。

私はなんと非情なことを考えてしまったんだろう。

ごめんね、せっかくきたのだからちゃんとお世話するね→息子たちが。

金魚だけが泳ぐ水槽と

干からびかけたタガメの屍骸と

空になった水槽を見ながら、

数年ぶりに

初めてタガメの冬眠セットを作らない冬が来るんだなと思った。

 

2022年 11月 某日

 

 

初めてタガメを触った日

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初めてたがめを見つけた日

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