あそびとくらす

遊びと暮らす 遊人クラス 日常の中にちょっとした遊び&スパイスを。日常の中からちょっとした学びを。

一体どこにいるんだ?!タガメちゃん!? 愛しのタガメが繋いだ父子の絆・・・

 

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いたっ

いたよ~!!!!

すっごいよ!!

パパが見つけたんだよ~~

 

愛しのタガメを手に持った息子は大興奮のあまり

大切な彼女を一度落とし、慌てて拾いながら近づいてきた。


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いや、私には巨大なカメ虫にしか見えないから・・・

遠慮するも、目の前に差し出された彼女は、

私にさえ神々しいほどに光り輝いていた

ように見えた。

やっと、やっとこれでタガメを探す旅から開放される・・・。

私は、安堵とも取れるため息を一つついた。

 

 

おそらくこの夏、80時間は費やしただろうか。

夏の間、当てもなく(ネットの目撃情報を唯一の手がかりに)

山口から岐阜県までの田んぼをさまよい続け

ついに、

ついに

息子と夫は、彼らの愛するタガメ♀をゲットしたのだ。


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始まりは図鑑、

そして、香川照之の昆虫すごいぜ! | NHK for Schoolの再放送。

タガメってすごい。

かっこいい。

だって、マムシに勝てるんだよ?!

 

さらには、帰省した山口の限界集落でさえ

ゲンゴロウや、ガムシ、コオイムシや、マツモムシ、コオイムシミズカマキリはいくらでもいるのに、

タガメだけいない」

という状況も

彼のタガメへの偏愛を深めたに違いない・・・。

(いや、いるのだよ。

けれど、田んぼの草取りをしている時に大体見つかるのだよ。

稲も大きく育ち、

草取りも終わりかけ、

または必要なくなってきた時に

草取りなぞせずに、タガメだけ探しても

それは見つけにくいと言うものだろう)

 

鶴の里、八代小学校でタガメを飼育しているニュースを見てからは、

八代小学校へ行きたいと熱望し、

電話も繋がらない夏休みの月曜日に八代小へと押しかけ

代休だったが、

たまたまいた親切な先生から

タガメがいるかもしれない小川の場所を聞き、

補注網やバケツをお借りして、捕獲に向かうも

やはり、ミズカマキリしかおらず・・・。

帰り道、たまたま作業をしていらした農家さんに

タガメを探しています」と声をかけたら

ビオトープの環境つくりをしていらっしゃる方だった。

この時期の日中はタガメを見つけにくい

と伺いながらも、

なんと毎年タガメが春には見つかる水路へ案内していもらった。

一緒にガサガサしながら探すも、どじょうやコオイムシしか捕れず…。

「夜になるまでまって、ライトとラップを仕掛けよう!」

(新幹線の時間はあと1時間後と言う母)

と言う息子に、

「来年の夏休みの最初の頃に、この水路のがさがさをするから、その時おいで」

と諭してくださり。

道具を返しに行った小学校で

名残惜しそうに、飼育中のタガメをなで、

なかなかその場を離れられないでいる息子に、


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先生が

「来年の6月にビオトープの整備するからその時おいで。

その時はオスもメスもおるよ」

と声かけ下さり、

何とかタガメのいる山口県を後にしたのだった。

 

これで、来年の夏にタガメに会えると(ほぼ確約され)分かったのだから、

タガメ探しは終わるだろう。

と、タカをくくって名古屋に戻ってきたのもつかの間

 

タガメを買いたい」

え?

「買いたい」

え?

飼いたい じゃなくって???

・・・・・・・・・・・・

 

買うくらいなら見つけてやろうじゃないか。

なんでもかんでも、買えると思ったら

大間違いぜよ!!

………

………

大間違いだったのは私のほうだったのだが

タガメを名古屋にて探すこととなった。

 

さて、ではいったいどこに??

このあたりで無農薬で米を作っている農家を知らないぞ?

しょうがないので、「2018 タガメ 岐阜」あたりを入れて検索したところ

どうやら関市での捕獲の形跡を発見。

毎週、郡上やら関市へ

(郡上も関も広いんですわ…)

通うこととなったのだ。

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ああ、私のおおまつがい!!

買ったほうが安い!

早い! 

時間が有効に使えた!!!

 

けれど、ここであえて言いたい。

手に入れるだけが幸せではない。

自ら探せば、例え見つからなくても

その時間はプライスレッッッス。

 

いや、私の間違いを認めよう。

当てもなく探すのは、無謀。

 

 

しまいには、

「私はすでに山口で散々探した。

後はパパと探すが良い!!」

と突き放したものの、

パパ=土日は寝ている

パパ=疲れると不機嫌

パパ=お出かけしない

の図式が息子の中では出来上がっている模様・・・。

(パパ=虫探しが上手:こちらはつい先月できはじめた方程式)

そりゃ仕方ないよね、7年間の成果だよ・・・

そして私、7年間、何がんばってたんだ、

もっと早くに手を抜いて任せていたらよかったんだ。

 

ママも来て~!!!

とのごねに負け、関へと走る車の中に。

その日、あまりに体調悪く、

林の近くの田んぼへ向かう二人の背中を見ながら車内で眠りについたのだった。

 

 

ほどなくして・・・・・

ママ、ママ、

いたよ、いた、いた

パパがみつけたんだよ~~!!

の声に、目が覚めた。

 

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子どもって、

好きなことにず~~~~~~っと熱中している時もあれば

ころっと変わるときもある。

一生同じものが好きだったら、それは一つの才能だけれど

我が家の息子の"愛でる対象”は、それなりの変遷を見せている。

2019年、夏。

それがタガメであっただけなのだ。

だが、

そのなかなか見つからなかったタガメ

パパが見つけてくれた 

という事実は、彼の心にずっと刻まれるであろう。

ギラファノコギリクワガタについで

タガメをも見つけたパパへの

彼の尊敬のまなざしは

しばらく続くことを切望する。

パパ=虫を見つけるのが得意

パパ=虫が好き

パパ=一緒に遊べる

パパ=土日も遊べる

パパ=土日も起きてる

パパ=自然が好き

パパ=アウトドア好き

パパ=元気

 

さぁ、(三行目からの)願望よ、

現実たれ!!

 

2019 年 8月 某日 記