2019年 初冬
あんなに恋焦がれていた
タガちゃんへの愛も落ち着きを見せ
ほぼ放置しはじめたある日
昼食時間に帰宅したオットーが
タガちゃんの様子を見に行き、
大声を上げた。
「やばい!タガちゃんが死んでるっ。微動だにしない」
え?
本当に???
確かに全く動かない。
しかし・・・
「もしかして冬眠してるんじゃない?この時期だし。寒いし。」
何より死んでいたら、息子が泣き叫ぶであろう・・・。
「冬眠だよ、冬眠。そっとして冷蔵庫に入れとこうよ。」
と言う私に対して
「いや、こんなに微動だにしないんだもの。
冬眠(仮眠・仮死)ではなく
”死”だ。」
「せめて遺体を完全に標本にするため乾かしておこう」
と、オットーはタガメの遺体を水槽から引き上げしばらく乾燥させていた。
私も、心のそこでは死んでるのかもしれない。
と思っていたこともあり、
標本の方向で息子を納得させるか~
とその場を離れた。
数分後
「ぎょえ~~!!!!」
オットの叫び声が家中にこだました。
何事かと思って
声のする洗面所に行ってみたら
慌てたオットーと
その手の中に慌ててワタワタしているタガちゃんがいた。
い、生きてた?!?!
オットーは、生臭いのは嫌だな、
軽く洗ってから乾燥させよう と思ったらしい。
タガちゃんにしてみたら
いい迷惑だ。
折角冬眠しかかって、深い眠りについたところを
いきなりの水シャワーだ。
心臓が止まるかと思ったに違いない。
いや、止まらないでいてくれてありがとう・・・だ。
心臓が止まらないように・・・
いろいろ本で調べて(オットーが)
冬眠の準備をした。
最初は、水からミズゴケエリアに入れても
水に戻ってきたり、
水エリアで、意識が遠のいていたり
ミズゴケエリアに移動して眠りについたかのように見えたのに
動いていたり・・・。
後は、元気に目覚めてくれることを祈るばかりだ。
あ~~、あのまま乾燥させていたら
間違って殺してしまうところだった。
虫の命の営みもすごいもんだなと改めて思った。