コトコト
コトコト
コトコト
コトコト
庭が見える台所で、ただただ ジャムを煮る。
ブルーベリージャムだけを。
コトコト
コトコト
当時は、hourse(馬の)世話と聞いて、喜んで入ったウーファーで
なんやこれ、house(家の)世話やんか!と
どんどん頼まれて増えていく家事(主に掃除)にイライラしてたんだっけ。
今思えば、築200年の古民家を改修したお家で。
広い庭には花ももちろんベリーがたくさん♪
開け放せるリビングから続く台所は光が差し込み、3コンロに大きなオーブン付き。
お父さんは会社務め&ベルギービールの個人輸入(自分が大好きだから)、
お母さんは馬の鞍をオーダーメイドで作り(これも馬好きが高じて)、
高校生の娘さんがいる
今でこそ憧れる暮らしだったんだなぁと思う。
(今、家族で、いや、ぜひとも夫を連れて行って、
こんな暮らし方、生きき方もあるんだよと伝えたいくらい。・・・・いい迷惑ね(笑))
異文化交流?面白そう?と思われたのか、
私が家政婦(本当は畑や馬の世話だと思っていた)として転がり込み、
頼まれた仕事を、効率よくこなして、自分の時間を捻出。
している気だった。 ↑
ここ、違ったね。
もっと、その仕事を楽しんでしたら良かったなぁと。
きっと、相手は私がやりたくてしていると思ったに違いない。
「他にすることないですか?」って聞いてたんだもの。
あんなに、それこそ「人生の休暇中」にがむしゃらにしなくても良かったな。
気が付いたら、掃除や補修(3時間くらい)以外には朝ごはんを出すだけだったはずが、
朝ごはんを作って洗って&晩御飯に和食の材料を買ってきて作る・・・
になっていた。
ある日、「ブルーベリージャム作ったことある?」
そう聞かれて
あるけど、、、
聞くからには何か違うのかな?北欧と言えばジャムだものね。と思い
「あるけど。日本で、自分なりの方法で。ここで作るのは何か違うの?一緒に作っていい?」
「もちろん。さ、庭から取ってきましょう」
と言うことでお庭で取れたブルーベリーを洗って、
砂糖をまぶして、火にかけて
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コトコト
コトコト
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と~っても、贅沢な時間でしょう?
今なら間違いなく、
ゆったりぼ~っとしてるか、
本を読んでるか、
お茶を飲んでるかしてるわ。
でも、当時の私は
えっと、何も変わらない。てか、煮るだけ???
その間、な~んにもしないで??
いやいや、私、頼まれた台所掃除ありますやん。
横で他の煮物作れますやん?!?!
もっと効率よく台所使いましょうや?!!
「これ見ていてね」
って頼まれても、じっとしてられなくて
台所の掃除を一通り高速で終わらせたんだよね。
世界一幸せな国って、
井戸の中の蛙やん!!
他を知らんから、見ないから、幸せね~~って思えてるってだけで!!
と、
当時は憧れて行ったデンマークに暮らしながらそう思ってる部分もあった。
ひねくれてたな~。
確かにそんなところもあるけれど、
この
「他者と比べない」って絶対的な幸せの条件だと思う。
自分をみる。ここをみる。
自分を(時間を)大切にする。
そう思ったら、あのジャムの時間はなんてもったいなかったんだろう。
1つのジャムだけを煮る時間なんて、子育てしてたら、まずないわ。
いや、日本にいたら、
そんなもったいない時間の使い方なんて考えられない。
いえ、もったいない、ではなくて贅沢な時間の使い方 なのか。
5年ぶりに、倒れてしまって、気が付いたら体全体が悲鳴を上げてた。
(あ、去年もこの時期に体調を崩したか。
あれから1年、変わったつもりでも、
心が、無視しないでと言ってるみたいだ)
クラスのお母さんに送迎を頼んだり、
友達に土日に子どもを見てもらったり助けてもらいながら
ご~ろご~ろしながら思い出したのが
あの、ジャムの時間。
味わいきらなかったとは、
なんともったいなかったことか。
たまりにたまった家事を目の前に、
心の中で、ああ、掃除や洗濯や家事で忙しく過ごすより
あの贅沢な時間の使い方を、
学んできたらよかったと。
あ、もう知っているから、後は実行に移すだけなのかしら?