あそびとくらす

遊びと暮らす 遊人クラス 日常の中にちょっとした遊び&スパイスを。日常の中からちょっとした学びを。

宮部みゆきの時代小説 許しあいながら生きていく

宮部みゆきは読みやすい。

ブレイブストーリー然り、

結婚する前はちょこちょこ読んでいたのですが、

産後、小説類は一切読む間もなくて(と思い込んでいて)

働き出したら、仕事に関する本が増えて

そういえば、ここ13年、小説なんて読んでなかったかもしれません。

 

仕事を辞めたら結構な時間があって

(そりゃそうだ 笑)

友達に借りた三島屋変調(現在1〜9)

 

子どもを持ち、家庭を持ち

「やりたくないことはしなけりゃいい、やりたいことはやればいいでしょ。

人のせいにせず、要は自分の決意と信念次第」

と豪語していた昔の私ではわからなかったことも多かった…

それでも、やっぱり自分の心持ち次第…

と思えるようになった今

心情に訴えるものがあって、

ついつい先が気になって、読み進めてしまいました。

止むに止まれぬ事情があったり、

誰が間違っているとも言えない、

そんな中での出来事や

どうしようもない、どうにもできない

いろんなことを心に抱えながらも

生きていくしかないんだなぁ、

生きていくんだなぁ、

もし今我が身に降りかかったら耐えられるだろうか?という出来事などを

江戸時代やあやかしという

タイムスリップした時代、フィクションだからと

一歩引いて読むことができるのだけれど

やはり、宮部みゆきが上手い。

一歩引いて読んでいるはずなのに

一歩引いているからこそ読めるのだが

読みながら号泣してしまう。

そんなシリーズです。

 

あまりにも面白かったので

こちらも借りてしまい、、、

面白かったです。

宮部みゆき、時代物がさらに面白いかと思います。

 

お互い助け合う時代があったんだなぁ。としみじみ。

私は家族だけで、家族にも、十分に愛を手渡せているかわかりません。

 

自分の人生は一度切りで他の人生はありません。

他の人の人生は、想像するしかなくて

その相手にも相手の事情があって、

やむにやまれぬ事情があってこうしてしまったのかもしれない

いろんな不運が重なってこうなってしまったのかもしれない

そんな想像力が、相手への優しさに通じるのかもしれません。

許し、許され…多少なりとも許し合いながら生きていますよね?

現代でも。

 

「みんなが同じ権利を持つはず」

そうであってほしいし、そうあるべきだけれど

 

実際には権利は平等にあるはずだけれど、

環境や機会が平等にあるわけでもありません。

 

もしかしたら「人間皆平等」と思う考えが、

相手も自分と同じ環境や考え方がわかるはずだと目隠しをして

相手への想像力を欠けさせているのかもしれない…

士農工商と身分がはっきり分かれている時代だからこそ

相手には自分の知らない世界がある

自分が想像できない思いがあるだろう

と思いやることができていた時代もあるのかもしれない…

 

宗教や国や言葉も違えば、

相手と自分は同じところもあるが、考え方も違うだろう

違うからこそ、相手の言葉をよく聞こうとするでしょうが

同じ日本人、

今、隣にいる家族や同僚や友達にも

分からないこともあることを前提とした方が、分かろうと努力しやすいのかもしれない…

 

どうしようもないこと、しょうがないことを

許し、許され、受け入れて生きていく

そんな人生やお話を疑似体験させてくれる作品群でした。

 

面白かったので、図書館でついでに

江戸時代じゃないものも借りてしまいました…

時間があっという間に過ぎていきます。

読み始めて、昔読んだことを思い出しましたが

 

仕事で家計を潤したり、社会とつながり還元していくことを休んだ代わりに

心を耕す時間が取れたのかなぁと、ふと思いました。

 

とても贅沢な時間をもらっています😌🍀