あそびとくらす

遊びと暮らす 遊人クラス 日常の中にちょっとした遊び&スパイスを。日常の中からちょっとした学びを。

昆虫採集探険家 デノン @マレーシア 会いたい人に会いに行く③

皆さんはこの図鑑をご存知だろうか

 

世界一うつくしい昆虫図鑑


世界一うつくしい昆虫図鑑

 

まるで宝石だ。

 

ママ、綺麗でしょ〜

そう言って玉虫の死骸を集めていたのはいつのことか…

 

自然の美しさにため息がもれる。

この本の著者はクリストファーマーレー

彼についてはこちらをどうぞ。

「虫ぎらい」が作った『世界一うつくしい昆虫図鑑』 | ダ・ヴィンチニュース

 ダナ・キャランやグッチ、

ジョルジオ・アルマーニなどの撮影を手がけたアーティストだ。

 

そして、この書籍の巻頭の献辞にある[デノン]さんこそ、

世界中を旅する昆虫採集探検家である。

彼の工房がクアラルンプール 郊外にあると聞き、

標本を作り始めた息子と

友人家族とともに訪問させていただいた。

(マレーシア昆虫教室の卒業生なのだ!)

 

マレーシア昆虫教室に参加することになった経緯はこちら↓

ちょっとそこまで虫捕りに♪ @マレーシア ②どうしてそんなとこに? - あそびとくらす

 

本当は、オットが一番行きたがったことは言うまでもない。

(日本の中小企業で休みを取るのは難しいらしい…

かわいそうに。

妻と子どもで楽しんでくるよ♪

とミジンコほどの遠慮もなく、

笑顔で妻は出発した。)

 

デノンさんとは、お会いするのは初めてだ。

本当にここでいいのか…?

こんな町工場が連なる通りに、

スタジオ?があるのか…?

そう思いながらピンポンを押すと、

さわかやな笑顔で、

流暢な英語を話す青年が出迎えてくれた。

(おそらく発音から華僑のスタッフ。)

 

一歩、工房へ入ると…

虫だ。

ムシだ。

虫だ〜!!

仰々しいほどの数の虫が、わんさかいる。

ひえええっっっっ

虫を見慣れたと思った私でさえ、心の中で叫んでしまった。

よくよく見ると

積み上げられた衣装ケース全てに

溢れんばかりの虫が

ムシが

大量の虫が綺麗に保存されている。

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息子たちのお目当てのカブクワだけでなく、

何やらよくわからんちっさな虫まで

何百匹、

いや

何千匹

何万匹といる。

むーしーだーーー(10回目)

 

いや、何やわからんと言うたけど、

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手元をよく見てみると・・・ハエだ!!

こりゃ、ハエだ…。

あの、日本では野糞やら死体に群がると思われているハエだ。

だがしかし!

よく見てみたまえ、

この美しさよ。

 

工房の中では、

職人7名が、器用に虫の内臓を取り除き、

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足や頭を丁寧に繋げている。

こうやって見ると、

ハエさえもまるで宝石のようだ。

しばらくは、

その手際の良さと

美しさに、ただただみとれていた。

いろんな虫を見ながら子ども達が食いつくのは

やはりカブクワ。

デノンさんに、話しかけてみた。

 

私と友人の夫の辿々しい英語での会話より

パプアニューギニア

と聞こえた瞬間の

パプアキンイロクワガタ!」

と反応した息子

その後も、

「オウゴンオニクワガタ」

「ゾウカブト」

コスタリカやオーストラリアだとか聞こえるだびに

日本語で虫の名前を答え、

それにデノンさんが反応して、学名で答え、

それそれ!となんだか盛り上がっている。

そこまで虫の種類も知らず、

虫への愛もない友人と私たちは蚊帳の外だ。

英語なんてわからないはずの息子たちが

英語を話すデノンさんと盛り上がっている。

 

好きだ!って気持ちは年齢も言語も人種も、

国境を越えるんだな〜と改めて感じた。

 

そして、好きも高じれば、

世界の中で飛び抜けたらば、

唯一無二の仕事になるんだ、

と改めて感じた。

 

 

 

デノンさんに聞いて、

私の住みたい国、行ってみたい国

(オーストリアコスタリカ、チリ、ブータン)に、

パプアニューギニアも加わった。

そう、

「虫というより・・・文化人類学的に…

魅力的だ。

しかし

その魅力が続くのも、あと2、3年だろう。

そのうち、iPhoneもって歩いているかもしれないね。」

 

部族ごとに、土地の所有がはっきりしている。

例えば、あ!!あの木に虫が!!

と思っても

この木までは、こちらの部族、あの木からはあちらの部族。

絶対に捕ってはいけない。

彼ら部族のしきたりがあってね。

 

などなど、

もーーっといろんなお話を聞いてみたかったけど、

子どもの集中力にも限界が。

 

息子のおった折り紙のカブトムシと

いくつかのお土産をお渡しして

サヨウナラ。

 

この出会いが

息子たちの心の片隅に残っていたらいいな

と思う。

そして

何でもいい

好きなことを続けたい気持ちの支えになってくれたらな、と。

 

もちろん私の心の片隅にも

しっかりと残った。

 

本物を見る

本物に会う

 

いくつになっても、感動です。

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デノンさんの工房の標本は

アートとしても、

博物館の標本としても

世界中に旅立っている。

もしかしたら、

あの昆虫館のギラファもコーカサスも…??

そんな職人技を身近に見ることができて

息子の趣味に付き合ってみるのもいいもんだなぁ

と改めて感じた。